●本文の「はじめに」試し読みはこちら。もくじはこちら。
「男性であろうと、女性であろうと、目覚めるために必要となるのは、自分の中に眠る女神という女性性への目覚めからなのです。内なる女神の存在に気づき、畏敬の念を抱くならば、『母』は間違いなく祝福を与えてくれます。女性性を蔑ろにして、人間の目覚めは起らないのです」(本文より)
この世のすべてを絶妙なバランスの上に成り立たせる、万物の創り主である宇宙の母(マザー)直伝の教えとは――。前作『恩寵の力』で鮮烈な印象を与えた著者の続編となる本書は、今まで語られることの少なかった、万物を創った大本の存在である「宇宙の母」に焦点があてられており、次に発行が予定されている『目覚めの力』を補完する役割を果たしている。
この世のすべてを創造し、絶妙なバランスの上で生み育む「母」は、マハー・マーヤという別名の通り、真実を覆い隠す「マーヤ」というヴェールで探求者を翻弄する力でもあり、それを取り去る智慧を与えてくれるものである。
また本書では、同じく「母」の創造物である、ブッダやキリストすら翻弄された「魔境」と、それをどのように看破したらよいのかについての導きにも丁寧に触れられている。
インド・チベットで修行ののちに「母」を直接感得することになった著者独特の「マザーの世界観」を味わい、「母」の恩寵の内に目覚めを経験するために必要な言葉を超えた経験を喚起する一冊になっている。
前半は著者の「母」にまつわる経験から来る多角的な解説、後半は前半の理解を補うための講話と問答集になっており、三部作の最終章となる『目覚めの力――死と悟りが教える人生の目的』(仮題)の刊行も予定されている。